個人事業主として働いている場合には、税金は所得税率に従って払うことになる。最高税率は時代によって変化するが、概ね45%前後で、今後はさらに上がる可能性も指摘されている。非常に高い税率になっているので、大きな売上がある場合には法人化をするとメリットが大きいだろう。法人化すると、税金は法人税率に従って支払うことになる。法人税の最高税率は、25%程度である。しかも今後引き下げが検討されていて、さらにお得になる可能性も高いのだ。差は20%以上あるわけなので、大きな節税対策ができる。
ただ、法人化をすると大きな社会的責任が発生することも忘れてはならない。会社組織になるわけなので、コンプライアンスには要注意だ。モラルを守って法律を遵守して、正しく経営を進めていかなくてはならない。経営者にはバランス感覚も必要なスキルになってくる。人を雇うことも多くなるので、高いコミュニケーション能力も要求されるのは当然のことだ。広い視野と強い決断力とが要求されるケースも増えてくるため、そういった経営者としてのスキルが不足していると思うのであれば、法人成りには慎重な検討が必要になる。
法人になると個人事業主として働いていたときのような中途半端は許されなくなる。法律の知識を仕入れて間違いがないようにするのも、経営者の大事な仕事の一つである。もちろん、経営資金を調達するスキルを磨いていくことも大事になる。努力が要求されるポストが経営者なのだ。